小学生編 ~できなくて注意するより、1回でもできたら褒めましょう~

1.何度言っても聞かない――食事なのにゲームに夢中

子供が本気で受け取っていないことがあるので、ペナルティーを与えるとよいでしょう。例えば30分以内に食べてもらわないと困るというときに、1回目に呼んで来なければイエローカード、さらに2回目も言い、それでも来なければ食事はなし。ルールを破ったら、それなりに報いがくることを教えます。肝心なのはペナルティーを予告し、予告どおりに実行すること。ペナルティーは子供と話し合って決めることも大事です。

2.約束を守れない――朝のごみ捨て係をすっぽかす

手伝いの約束が守れない。これは子供ができないことを約束させている可能性があります。だから約束するときは、どういうことならできるか、できることを子供に聞くこと。それでも役割を果たせないようなら、その約束は無理だった、とあらためてできることを探し、もう一度、約束を決めましょう。先のように人に迷惑を与える場合は、ペナルティーを科す方法も有効ですが、お手伝いの場合は必要ありません。

3.嘘をつく――自分が壊したのに人のせいにする

子供が嘘をついたときに大事なことは、大人が正確な情報を把握し、子供に嘘を嘘と認めさせることです。嘘を認めて謝れば、もうそれ以上は問題にしない。頻繁に嘘をつく子は、たいてい怒られすぎています。やってはいけないかどうかよりも親に怒られないことを優先させるからです。そういう子に必要なのは、悪いことはやったとしても、それを正直に報告する習慣をつけること。話したら「言ってくれてありがとう」と親は褒めることを忘れずに。

4.行儀が悪い――食べ方、挨拶、物を乱暴に扱う

行儀については親の価値観を繰り返し伝えていくしかありません。「食べ方が汚いと周りの人は嫌な気持ちがするよ」「挨拶してもらうと嬉しいよね」など相手の気持ちを考え、すべきこととすべきではないことを親が手本として示していきましょう。物を乱暴に扱ったり、粗末にしたりすることに対しても親の姿勢を見せていくことですが、物を与えられすぎているとそうなるのも仕方ありません。心を与えずに物ばかりを与えていないか、いま一度振り返ってみましょう。

5.悪い生活習慣――片づけない、時間を守らない……

こういったときに私たち大人が陥りがちなのは、やっていないときは注意して、やったときには褒めていないこと。たまにはやっているときもあるはずなのに、そういうときは何も褒めていません。これでは子供には反発心しか生まれないので、むしろできないときは放っておき、できたときに褒めるほうが効果的。大人がやれて当然のことも、子供にとっては、まだまだ当然ではありません。褒められると、子供はますますやる気がアップするはずです。

6.やるべきことをしない――宿題をやらない、提出物を出さない……

これは“問題所有の原則”といって、その問題の持ち分は子供であって親ではないので、親が口を出したり、干渉したりすべきではありません。自分がやらなければ、子供は学校で叱られて痛い思いをします。本来、子供が自分でやるべきことまで親が口出しや手出しすると、子供は親に言われるまでやらなくなります。年齢が低く習慣づけができていないうちは、親がある程度声がけしながら、サポートするとよいでしょう。