思春期編 ~心配している気持ちを伝えましょう~

1.親に対して何でも反抗――携帯電話ばかりで会話なし、禁止事項をしたがる

思春期なら当然起こりうることです。こういう場合は、とにかく子供には「心配している」ことを伝えます。いつも携帯電話ばかり見ていて家族と会話しないというのも思春期の特徴ですが、これに関しては友達関係ができているのでまだましと考えて。使い方は子供と相談してルールを決めましょう。無断外泊を繰り返すのは、家に居場所がなくなっているのかもしれません。悪い友達と付き合う、性やたばこ、ドラッグなどへの関心が止まらない、物欲が抑えられないといったときも、まずは「心配している」という親の気持ちを伝えることが第一です。

2.金銭欲が強い――親の財布からお金を盗む

自立には幼少期の身体的自立、思春期の精神的自立、青年期の経済的自立の3段階があります。思春期は、精神的には自立しているけれど経済的には依存している状態。言うことは聞かないのにお金ばかりを要求するのも当たり前なのです。けれども、それぞれの家庭の経済状況がありますから、小遣いを決めて、限度額を守らせることが大事。好き放題に与えていると、子供はお金の管理の仕方や節約を学べません。親の財布からお金を盗む行為については、二度とできないように家にあるお金や商品券は金庫に入れるなど、親自身がしっかりと管理しましょう。

3.引きこもる――友達をつくらず、ネットやゲームの仮想空間だけで生活

まず考えなくてはいけないことは、なぜそうなったかということ。例えばいじめにあったとか、嫌がらせを受けたとか、子供なりの事情があるはずなので話を聞き、そこから手だてを考えていきます。具体的には気を許せる友達と遊ぶ機会をセッティングしてやるといったことです。小学校高学年以降は子供にも表と裏の顔が出てくるので、友人関係が難しくなります。中学年までは先生から気に入られる子が友達からも好かれますが、高学年では先生の言うとおりにする子は嫌われます。特に発達障害の子はそういうことに対応しにくいので親の手助けが必要です。

4.勉強意欲の低下と焦り――カンニングをする

カンニングは絶対にしてはいけないわけですが、そこまで子供が追い込まれているという状況を周りは理解するべきではないでしょうか。もしかすると周りがそこまで追い込んでしまっているのかもしれません。とにかく成績のよしあしだけではなく、本人が精いっぱい努力して、それで出た結果なら何点でもいいと親は腹をくくり、そのことを子供にきちんと伝えましょう。結果さえよければよいという姿勢でなかったか、親も反省してみなければいけません。たとえ点数が悪くても、できなかったところを叱るのではなく、まずはできたところを褒めましょう。

明橋大二
精神科医。真生会富山病院心療内科部長、子どもの権利支援センターぱれっと理事長、スクールカウンセラー。漫画を交え、場面ごとの子育て方法を伝えた「子育てハッピーアドバイス」シリーズ(1万年堂出版)は累計400万部を突破している。
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(高田純子=構成)