だとしたら、社内教育を外出しするにも、出せる中身がロクにない、という話になる。深田氏は続けて言う。
「それに、今のような厳しい時代、学び直しや、起業・転職の意欲に溢れているのは、自分で考え自分で動く人です。イノベーションを起こしたり、新しい成長分野をつくったりするのは、国の言うことなんか聞かずにわが道を行く、はみ出しタイプです。目指してなるようなものでもありませんよね」
では、はみ出せない一般的なタイプは、どう生き残りを図ればいいのか。強いのはやはり専門職か。大手コンサルティング会社から49歳で独立、「リストラ経験者」でもある深田氏は語る。
「私の場合、人事の畑を渡り歩いてきましたが、結局、前の会社から放り出されてしまいました。必ずしも専門職が会社に残れるわけでもありません。ただ、私はその後も仕事を続けられています。それは、社員の頃から日常業務をこなしつつ、執筆やセミナーなど仕事の幅を広げていたからです。
つまらないと感じている会社の仕事でも、一人で自由にやるならこんな売り方がある、と考える癖をつけるのです。今の仕事に活きるかもしれないし、リストラにあっても潰しが利くかもしれませんから。誰かが何とかしてくれる、という思考の人はダメですよね。『40歳定年制』の話題はキャリアを見直すいい機会、と捉える強かな人が生き残るのではないでしょうか」