この問題はカーナビとカーオーディオの両方を購入した人数がわかれば、カーナビを購入した顧客数で割って答えを出せる。僕はその算出方法を思いつけなかったが、「集合」の考え方を知っていればすぐわかるのだった。
つまり、カーナビ購入客を集合A、カーオーディオ購入客を集合Bとすると、AとBの重なり合った部分が両方を購入した人数である。これを算出するにはまずAとBを足す。するとAとBの重なった部分が2重に計上されているので、そこから「AまたはB」の人数を差し引けばよい、というわけ。
この問題の場合「AまたはB」の人数は、新車購入客200人からどちらも購入しなかった10人を差し引いた190人である。したがって、カーナビとカーオーディオの両方を購入した人数は次のように算出できる。
100+180-190=90(人)
これをカーナビ購入客の100人で割ると、問題の答えは90%となる。
「集合の考え方はPOSなどのデータマイニングで使われており、知っておくと非常に便利」と近藤先生。確かに、僕はデータ集計のときに時間をかけていちいち手作業で数えることが多々あったのだが、これを知っていれば簡単な計算で集計できる場合も多そうだ。もしかすると、数学ってかなり役に立つのかもしれない。