●子供の偏差値が上がる
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女性が働くと教育費は1.5倍になる!

特に、支出が増加する分野は「教育」で1.5倍、「調理食品」で1.26倍、「通信」で1.18倍、「外食」で1.12倍などとなっている(図参照)。

教育費は、専業世帯では2万5000円強の支出が、共働き世帯で約4万円にまで跳ね上がることになる。母親が収入を得て家計に余裕が出ることで、塾・習い事に通わせたり、私立学校へ入学させたりといった行動になるのだろう。また、疲労・ストレス発散の名目での旅行やレジャー、外食の機会も増えると見られる。

「女性が働き始めることで国内消費が高まるのは確実です。専業主婦世帯では収入が夫のみなので、節約志向になりがちですが、女性が働き始めると経済的にも自立し、安心してお金を使うことができるようになります」(日本総研・ESGアナリスト 小島明子氏)

女性活用すべき理由[4]
給与評価システムが変わり、社員が効率的に働くから

女性活用のメリットはあるけれど、そこに障壁がないわけではない。産休・育休、勤務時間短縮などにより他の社員の仕事の負荷が大きくなるのではないか、という指摘はあちこちから聞こえてくる。

しかし、小島氏はこう語る。

「出産などにともなう離職を防ぐため、今後さらに企業の人事部などは多様な働き方を認めるようになるでしょう。このときに重要なのが仕事に対する評価のしかた。たとえ働くのが短時間でも、結果を残せば、それなりの評価となり、給与もそれに沿った形になる。そんな透明性のある評価制度が確立されれば、女性の離職を防止できるだけでなく、他の男性を含む社員にいい影響を与えるでしょう。長時間労働しなくても、短時間で効率よく仕事をすれば評価はしてくれる。そう聞けば、自然と社員全体にやる気がわき、効率的な働き方をする。その結果、生産性・業績も上がるでしょう」

上司がまだ働いているから帰りにくい。女性活用を推進することで、人事評価や給与システムが変化していけば、男性もそんな悪しき仕事習慣ともオサラバできるかもしれないということだ。