リアルと動画を組み合わせるのが今後のトレンド?

今後のソーシャルメディア活用の方向性として大きく二点ある。まずはO2O(オンライン・トゥ・オフライン)の利用のトレンドである。O2Oはリアルとオンラインの融合を行うことでよりビジネス効果を高める施策である。例えばLINEはクーポン券を利用して店舗に送客する使い方が効果を出している。コンビニやファストフード店などで高い送客効果が出ている。Twitterも店舗でのイベント告知などにとても効果的である。

スマホでの利用が増えたことで、移動中にTwitterを見ている人も多くなり、今からお店に行ってみるかと思わせるつぶやきがそのまま行動を促すことに繋がるようになってきた。スマホの場合地図アプリへの連携も簡単なため、店舗を探して行くというような行動でも起こすことができる。Facebookではチェックインという機能で自分がいる店舗を写真情報と同時に伝えることも容易なため、ますます顧客からの口コミを誘発しやすい。O2O活用の場合は現場の店舗も巻き込むことになる。LINEの場合は本部からの一斉発信になるが、TwitterやFacebookでは店舗単位など発信の単位を細かくすることもできるため、より店舗密着型の発信による活用も重要だ。今後は本社単位である程度慣れてきた企業でもエリア単位、店舗単位などで誘客するためのソーシャルメディア活用も必要な段階に入るだろう。

もうひとつのトレンドは動画配信だ。これまではYouTubeにアップロードされた動画をソーシャルメディアでシェアするという利用は多かったが、最近では自分動画をアップしたり、生放送でライブしたりするというソーシャルメディア的活用が増えている。ニコニコ生放送やツィキャスなどは普通の一般個人が自分のスマホやPCからどんどん動画で個人放送を行い、それを見ている視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとりながら放送をしている。

またTwitterも6秒の短い動画のVineを買収したが、Facebookの買収した写真共有サービスのInstagramがやはり短い動画サービスを開始しており、短編動画サービスの広がりも今後注目されている。

プラットフォームが変わろうとテキストが動画になろうと、いずれにしてもソーシャルメディアは顧客とのコミュニケーションが基本になるため、「コミュニケーションしたい」ブランドやネタがそこにあることが大前提になる。企業が活用する上では当然のことながらその前提なしではなかなか成り立たないことも見えてきていると言えるだろう。自社が顧客とコミュニケーションする上で、どのような文脈ならコミュニケーションが成立するかを見極めることがソーシャルメディア活用の基本だと言える。そのためにはまず傾聴し、発信し、反応を見極め、既存のビジネス現場に浸透させ、顧客とさらに深い共感を創っていくというプロセスが何よりも重要であると考えられる。そしてそれを避けることもまた難しい段階に入ってきている。顧客と向き合うことが避けられないという現実もまたソーシャルメディア時代だと言えそうだ。

D4DR社長/コンサルタント 藤元健太郎(ふじもと・けんたろう)●1967年東京都生まれ。1991年電気通信大学電気通信学部卒。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。日本初のCGMサイト関心空間社取締役、経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員、青山学院大学ExectiveMBA非常勤講師などを歴任。
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