LINE急浮上、メールを見ないスマホ利用者
傾聴するだけでなく、積極的に関わりを持つアクティブサポートの利用も増えてきた。ソーシャルメディア上で企業名やブランド名が発信されたかどうかをウォッチし、顧客に積極的に語りかける方法である。わざわざコールセンターに質問したり、クレームを入れたりするまでもないけど、なんとなくつぶやいておくかというユーザーは多い。特に日本のようにサイレントマジョリティも多い国ではそうした声は貴重でもある。今後はコールセンターも電話、メール、チャット、ソーシャルメディアなどを統合した形になるだろう。すでに「ソーシャルメディアコマンドセンター」という24時間体制でモニタリングからアクティブサポートまでを統合したような部署や設備を設置する企業もデル、シスコ、マスターカードなど増えてきているようだ。
一方日本国内ではLINEが急速に存在感を出している。その理由としてはスマホの普及に伴い、これまでの携帯メールアドレスが変更になったり読まれなくなったりしてきていることで、これまで有力な告知ツールであったメールマガジンの力が落ちてきていることも影響している。 LINEの公式アカウントやLINE@(公式アカウントに比べると低コストだが,自社で顧客に告知して登録してもらわなければいけない種類のサービス)のアカウントでの告知は迷惑メールの中に埋もれることもなく効果が高い。ただメルマガと異なりセグメント毎の配信などができないなどの欠点もある。
LINEではスタンプが非常に強力なコンテンツになっているが、そこでマストバイ(商品を買った人がコード入力でスタンプをもらえる)でスタンプを配ることで、商品を買ったことを友人に間接的に教える効果が生まれる。LINEはソーシャルメディアではないという声もあるが、友人とのコミュニケーションの中に企業のスタンプが積極的かつ自然に登場するところは企業からすれば他のソーシャルメディア以上にソーシャル的なブランディング効果が期待できるメディアになっているとも言える。
Facebookの企業公式サイトの開設ラッシュもとりあえず落ち着いてきているが、成功するパターンも見えてきている。話題性のあるキャンペーンを実施して、Facebook上での拡散とセットでのパターンはいいね!も集めやすい。
無印良品があまり知名度のない住宅商品を広めるために二年間無料で住めるというキャンペーンを行った時には、いいね!が有名住宅メーカーを上回る数集めることに成功した。またすでに共感されやすいブランドを築き上げた商品も相性がよい。チキンラーメンのように根強いファンがいる商品の場合、いいね!数は34万人にまでおよぶ、商品の誕生日の記念日投稿には実に13万を超えるいいね!がついている。最近では飲食店などでは自社のWebページをつくらずFacebookページを公式サイトにしているところも増えてきている。料理の写真のように毎日更新することができ、かつユーザーに受け入れられやすいコンテンツの場合は普通のWebページを立ち上げるよりもソーシャルメディアのほうがコミュニケーションが発生しやすい。