数字を聞き手に身近な文脈にのせる

では、バッテリー稼働10時間なら、どう説明すればいいだろうか。ジョブズはバッテリー10時間とは、「サンフランシスコから東京までフライトできる時間」と表現したが、あなたならどうするだろうか?

「夜寝る前につけっぱなしにして8時間寝ても、まだ2時間稼働するパワーが残る」

「長めの映画を3本見られる」

「大阪から新幹線に乗車して東京で乗り換え、青森に行ってもまだ使える」

……など、聞き手にあわせたあらゆる「身近な単位」に置き換えができるだろう。

デール・カーネギーによれば「文脈のない数字に力はない。自分と関係があると聞き手が思うものと比較する形で数字を提示すれば聞き手の興味を引くことができるし、影響力も高まれば、最終的に説得する力も強くなる」(*3)

今日の聞き手にとって、その数字はどんな文脈にのせることが効果的なのだろうか。ほんのひと工夫で、思う以上に相手はその数字に価値を見出してくれるものなのだ。

[参考資料]
*1 『生命の不思議、宇宙の謎』(ウィリアム・H・ショア 1994年  白揚社)
マサチューセッツ工科大学教授・アラン・ライトマンのエッセイ「宇宙の起源」
*2 『スティーブジョブズに学ぶ英語プレゼン』(上野陽子 2012年 日経BP社)
*3 Dale Carnegie, [1991]The Quick and Easy Way to Effective Speaking, Reissue,.
『心を動かす話し方』(デール・カーネギー著、山本悠紀子監修、田中融二訳 2006年 ダイヤモンド社)

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