たとえば友人にお金を貸したが期日までに返ってこなかったとする。それが何度も繰り返されたら、どんなに親しい相手でも我々は信頼を保つことがむずかしくなる。

これを自分にあてはめてみよう。自分自身に対する誠実さとは、自分との約束を守ることである。たとえば今週、私が第2領域の活動として予定したことを面倒くさがって先送りすれば、自分との約束を破ったことになる。

自分との約束を破り続けると、内面で「どうせこんなことを決めたってやらない」と自分に対する信頼性を失っていく。逆にどんな小さなことであれ毎日やり続ければ、自分に対する信頼性を高められる。そして自分との約束を守り続け、自分に対する信頼性を高めていけば、いまはできないもっと大きな事柄を果たす力になっていく。

「人生の成功は、偶然の産物ではなく、運命や幸運によって決定づけられるものでもない。それは、成功の日々の連続にほかならない(everyday greatness)」

トレーダーで心理学者のアリ・キエフはそう言っている。つまり、私たちが得たい結果を得ようとするのなら、将来の成功に向かって今日成功する必要がある。毎日の成功を積みあげることで、将来の私が成功をつかむことができるのだ。そして今日の成功とは何かといえば、自分が最も大切だと思う事柄を最も大切にすることである。

タイム・マネジメント4.0が提唱しているのはまさにこの点にほかならない。あなたにとって最も大切な事柄は何か。必ずそれを1日の1%だけでもやり続けるところから、まずはスタートしてみよう。

フランクリン・コヴィー・ジャパン副社長 竹村富士徳
フランクリン・コヴィー・ジャパンの中でも、特にタイム・マネジメントの分野で、商品のコンセプトづくりからコンテンツ開発まで深く関わり、超人気講師として活躍中。国際部門で、トップレベルの業績達成に貢献する。
(構成=宮内 健 人物撮影=小倉和徳 撮影=若杉憲司)
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