日本にいる長女の恵美里氏と衛星携帯で話す三浦氏。サングラスがオシャレ。(ミウラドルフィンズ=写真提供)

【大前】父親の影響は相当にある。

【三浦】ありますね。すごくある。

【大前】山に登り続けるために、普段の生活で心がけていることはありますか?

【三浦】飲みすぎ食べすぎ。肉を1キロ食べるとかホラ吹いてますけど、800グラムぐらいです(笑)。

【大前】ワカメがカラダにいいと人から聞いて、ワカメばっかり食べてた時代もありましたね。ほかに心がけていることは?

【三浦】心の中でいつも目標を持つこと。そうすると怠けていても、やらなきゃいかんなという気持ちがどこかで起きますから。

【大前】やりたいことがある人はいいですけど、明確な目標がない人が大多数です。そういう人にアドバイスするとすれば?

【三浦】外に出てみればいいんじゃないですか。温泉に行くでもいいし、海外に行くでもいい。温泉に行ったら、ちょっと裏の山に登ってみるとかね。まず旅をするのがいいと思います。

【大前】私はずっとそばで見てきたので、実は三浦さんがスーパーマンではなくて、壁を乗り越えるためにひたすら努力する超人であることをよく知っている。人の一生は壁ばかりですが、その壁を乗り越えるコツは何ですか?

【三浦】僕の人生だって壁だらけですよ。ただ、僕の場合でいえば、心臓の不整脈や骨盤骨折があっても、治せばまたチャンスがあると本気で信じていた。時間をじっくりかけてでも、壁は乗り越えるしかない。

【大前】どうしても壁を乗り越えられずに、死を選ぶ人もいる。

【三浦】ある意味で死ぬのが1番簡単なんですよ。山へ行っても、もう死んだほうがましと思うほど苦しくなる。でも、そんな簡単な道を選んではいけない。人間、最後の最後まで生き抜いて、最後に笑って死ねればいい。それしかありませんよ。