私だけ生きていていいのか

ダライ・ラマ14世

東日本大震災では、亡くなった人も不幸ですが、生き残った中にも「自分は不幸だ」と感じている人がいるでしょう。津波によって、自分の家はもちろん、家族を失い、1人だけ生き残ってしまった人の中に、「(将来のない)自分が生きていていいのか」とひどく絶望している老婆がいると聞きました。未来を託した若い家族を失い、筆舌しがたい絶望を感じたのでしょう。

自分が高齢者であるのに、若い家族全員を失う。今は「救われようがない」といった感覚に陥っているかと思います。

しかし、そのご老人は、家族はなくしたかもしれないが、1人ぼっちになったわけではありません。私は、日本社会の中で、そのご老人がご近所の方や友人から助けを得るだろうと確信しています。だから、自分は孤独だと思うべきではありません。そう感じる必要はないのです。