「比較」してメリットを際立たせる

相手を説得するときに、まずは従来からの製品のデメリットを強調することで問題点が浮かびあがる。これによって、その問題を解決してくれる「自社製品のメリット」というヒーローの活躍がより際立つはずだ。ただの「比較」を、うまく勧善懲悪のストーリーに乗せて語ることで、聞いている人間は、より話に引き込まれていくだろう。これは、製品紹介にばかりでなく、いろんな側面で応用が効くはずだ。たとえば、比較についてはこんな見解も見られる。

「受け手が反対の意見をもっている場合には、二面を提示したうえで反対意見を論駁する主張のほうが説得力をもつ。単純に両方の立場を提示するコミュニケーションに効果があるというわけではない。両方の立場を提示したうえで、反対の立場の弱点を指摘することが説得の効果を生み出すのである」(*)

聞き手はいろんな受け取り方をするだろうし、複数の人を相手にするときは、反対意見や疑問を投げかけられることだってあるだろう。単純に従来の製品との比較よりも、従来の問題点をあげて「解決策を提示」すれば、反対意見に相対する力にもなる。それを上手にストーリーラインにのせて伝えることで、聞き手はあなたのその話により引き込まれることだろう。

[*参考資料]
A.プラトカニス/E.アロンソン 社会行動研究会訳[2007 7刷]『プロパガンダー広告・政治宣伝のからくりを見抜く』誠信書房

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