同じくらいの豊かさやステータスでも、幸せの感じ方は人によって大きく違う。幸福を感じやすい人とそうでない人の違いとは何だろう。心理学的に分析しつつ、少しでもそこに近づく道を探ってみた。

ブータンにあって日本にない「方程式」

最近、幸福論といえばブータンということになっている。イケメンのワンチュク国王夫妻の来日もあって、世界でいちばん幸福な国である(らしい)ブータンに学び、その国が採用しているGNH(国民総幸福量)なる考え方を、ぜひわが国でも導入しましょう、といった話で盛り上がっているようだ。

こうした話自体は、べつに悪いことではない。巨大震災の深刻な後遺症の中で、行くべき道を見失ったこの国には、確かに何か新しい指針が必要だからである。ただ、よくわからないのは、こうした議論のほとんどは「政策論」になっていて、本来的なテーマであるはずの「個人の心の問題としての幸福」にほとんど関心が示されていないことである。