一連の不祥事による強い風当たりの中で自信や誇りを失っていた社員たち。再建に当たってグループ社員を鼓舞し一体感を醸すために、後藤会長が打った最初の一手とは――。(2024年1月15日レター)

2004年は西武グループに激震が走った年でした。一連の不祥事の結果、東証一部上場廃止となり、信用不安が悪化し、社員たちは下を向き自信や誇りを失っていました。

みずほコーポレート銀行(現・みずほ銀行)を退任し、西武グループの再建を担うことになった私は、2006年3月、持ち株会社制度への移行にともなう再編手続きが完了すると同時に、グループビジョンを打ち出しました。その狙いは、社員に進むべき方向性を示して、心のベクトルを一つにそろえることにありました。

(構成=今井道子)