落ちた会社の体力を復活させるために、経営トップと経営幹部がなすべきこととは。菊地さんが目指すのは、変化に強い、負けない組織です。(2021年10月18日レター)

経営危機の最悪の事態は、双日と資本業務提携で切り抜けることができました。優れた物流機能や世界的な情報ネットワークを持つ総合商社という事業パートナーを得たことで新しいビジネスの可能性も開けました。しかし、それだけで「儲かる会社」に復活できるわけではありません。

そのために私が発したメッセージが、「復元力」です。コロナ禍で大きく落ち込んだ消費も、いずれ需要が回復するとみています。人員を減らし、営業時間の短縮などが長く続いてしまい、足腰が強靭でなくなっている体制を、その時に向けて立て直していこう、ということです。ただ、従来と同じやり方で、現場スタッフ一人ひとりの頑張りに頼っても、生産性はそんなに上がりませんし、いずれ疲弊してしまいます。

(構成=久保田正志)