苦境に陥れば、黙っていなければならないことがある。だからこそ、従業員との丁寧なコミュニケーションが必要だと言います(2021年10月11日レター)

前回は、コロナ禍に対応すべく従業員に「不安感」から「危機感」へというメッセージを出し、「前を向いて」仕事をするように促した話をしました。新しいサービスを始めるなど集客を増やす工夫をし、コスト削減もして挽回をはかったのですが、コロナ禍が長期化したことで、赤字は積み上がっていくばかりでした。

想定の赤字額が2年続くと債務超過に陥る。そのリスクが2020年の秋ごろから現実味を帯びてきました。それを回避するためにとった方策が、大手商社双日との資本提携と業務提携です。交渉がうまく進み、今年2月に契約を結ぶことができました。資本提携によって、双日がロイヤルホールディングスに出資をし、筆頭株主となる。これによって、ロイヤルホールディングスの自己資本は増強され、危機的状況に陥るリスクを回避できたのです。

(構成=久保田正志)