失敗を恐れない姿勢でトライアル・アンド・エラーを積み重ね、会社を成長させてきた神戸物産。しかし、失敗には痛手がつきもの。「会社や事業が致命傷を受ける前に、撤退するタイミングを見極めるのがリーダーの使命である」と沼田社長は話します。成長しつづける企業が実践している、リスクマネジメント術とは何か?(2023年1月30日レター)

「失敗を恐れるな」とは言っても、失敗には痛手が伴います。失敗の経験が成功につながれば報われますが、失敗を重ねるだけでは個人も組織も疲弊していきます。社員のモチベーションもさることながら、経営的にもダメージが積み上がっていくでしょう。

会社として致命傷を負うパターンとして、莫大な開発費を注ぐというケースがあります。業務スーパーは、新商品開発に失敗しても会社が潰れるほどの傷にならないサイズでトライします。仮に失敗してもリトライすることができます。何万という商品を開発・販売してきた経験から「リサーチにどのくらいの金額がかかるか」「人件費はどのくらいか」「ここで撤退した場合のロスはいくらくらいになるのか」が、おおよそわかっており、万が一失敗したときの傷の深さも読めています。

(構成=渡辺一朗)