「10回に3回成功すれば上出来」という考えのもと、続々と事業展開を進めてきたことで業績を伸ばし続けている神戸物産。次々と実行されるトライアル・アンド・エラーの成功率を高めてきたのは、沼田社長の「合理的な決断力」に秘訣があります。成果を生み、部下からの信頼も獲得できる「リーダーの決断力」の身に着け方とは何か。(2023年1月23日レター)

私は「失敗を恐れる必要はない」とお話ししてきましたが、それは「考えるより先に行動すべき」ということではありません。勢いだけで実行したトライアル・アンド・エラーは、「失敗した」という事実しか残らず、会社の足を引っ張るだけです。社員に無駄な失敗をさせないためには、「GO」を出すリーダーに優れた決断力が求められます。

決断力の優れたリーダーは、合理的に情報を取捨選択し、結論を出すことができます。そのために、常に自分の頭のなかで物事を熟考することが習慣づいています。業務スーパーの生みの親であり、私の父でもある先代も優れたリーダーのひとりであると身内ながら思っていますが、神戸物産が一代でここまで拡大できたのは、トップダウンで次々と商品展開を進めた先代の決断力ありきだと考えています。

(構成=渡辺一朗)