かしこカワイイ女性でいたい──。そんな営業職の女性たちを応援するコミュニティ「営業部女子課」が、いま会員数を増やしている。同会を主宰するのは、リクルート時代に敏腕営業職としてさまざまな賞を受賞した太田彩子氏だ。更なる女性の活躍が求められている今、最前線で働く営業職の女子は何を考えているのだろうか。
ベレフェクト代表 太田彩子氏

【田原】太田さんは、「営業部女子課」という組織を運営されているそうですね。これはどういう団体ですか。

【太田】営業職の女性だけを集めたコミュニティです。営業は一部の生命保険などの会社を除くと男性中心の旧態依然とした世界。男性の中でポツンと1人でいると、将来のキャリアが見えなくて、みんな出産を機に辞めてしまうのです。それは悲しいので、女性営業同士で情報交換しながら活躍の場を広げていこうという目的でやっています。

【田原】営業に携わる女性は増えてきた印象がありますが、実際はどうですか。

【太田】増えていますよ。いま日常生活における決裁の74%は奥さまが握っています。ただ、買うのは女性なのに、売るほうは圧倒的に男性が多い。その矛盾に気づいた企業が女性の営業職を増やしています。

【田原】昔も家庭の財布は奥さんが握っていたでしょう。どうしてミスマッチに気づかず男性ばかりだったのですか。

【太田】男女による“働き方”の違いがはっきりしてきたのだと思います。営業部は「売れなければ土日も返上で働きなさい」というマッチョな文化が強くて、女性はついていけません。最初は女性も一緒になってハチマキを巻いて「オー」とやったりしますが、しだいに体力の差がはっきりし始め、結婚や出産というライフイベントがやってきて、そのまま家庭に入ってしまいます。あと、地方ではいまだに女性営業は接待要員というイメージが強く、普通に頑張ろうとすると、「あいつは生意気だ」とつるし上げられてしまう。これでは女性が少ないのも当然です。