ある程度の年齢に達してから心機一転やり直そうというとき向いているのが、福祉系の資格だ。セカンドキャリアを目指すなら、介護の資格はぴったりだろう。ホームヘルパー資格は研修を一定時間受講すれば取得可能なので、やる気があれば未経験者も参入しやすい。ホームヘルパー2級を持っていれば、高齢者や障害者の介護や家事援助などに従事できる。
介護の仕事はきついと思われがちだが、メリットもある。現場で3年以上の実務経験を積めば、国家資格の介護福祉士が取得可能になり、5年以上なら、ケアプランを立てられるケアマネジャーにもなれる。キャリアアップできるところは大きな魅力だ。
介護職というと女性の職場と思われがちだが、男性の求人もある。在宅介護の求人は乏しいが、特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設では、男性の手を必要としていることが多い。女性が敬遠する夜間勤務を任せられるからだ。また、必ずしも資格を必要としないが、デイサービスなどの送迎をする福祉ドライバーとしての需要もある。
男性が圧倒的に求められる職業の資格といえば、工事などの現場で働く仕事に関するもの。たとえば、電気工事士や配管技能士など。電気工事士は一般用電気の工事に関する専門的な知識を有する資格で、配管技能士も水道の配管などの知識を必要とされる資格。今後太陽光発電の需要が高まるにつれ、仕事が増えそうだ。こうした資格を持っていると、就職に有利に働くだろう。中高年層の求人もあるので、現場系に興味のある人は取得しておいて損はない。
語学や簿記などの検定資格は、持っているに越したことはないが、組織の中ではどんな資格を持っているかではなく、どんな専門性を持っているかのほうが重要。時間とお金をかけて資格取得に躍起になるなら、専門性を磨いたほうがいいだろう。
上田信一郎
1946年生まれ。早大法学部卒。ライフワーク代表取締役。キャリア関連の著書、雑誌執筆多数。