リフォームとリノベーション、どこが違うのか
中古マンションを買う場合、ほとんどの人はきれいにリフォームするか、大規模なリノベーションを行ってから入居する。では、リフォームとリノベーションにはどんな違いがあるのだろうか。リノベーションの意味を十分に理解していない人もいるので、その点を明確にしておこう。
まず、リフォームとリノベーションでは工事の規模に違いがある。リフォームは壁紙の張替え、キッチンやバスなどの設備の取換えなどの部分的な工事で、リノベーションは間取りの変更、水道管や排水管の変更など大規模な工事を指す。より大きな規模としては内装や壁、床などを取払い、スケルトンにしてから工事するフルイノベーションもある。
当然、予算にも大きな違いがある。単なる壁紙の交換などであれば、1週間、2週間で済み、予算も数十万円から、100万円、200万円程度に収まるのが一般的だ。それに対して本格的なリノベーションでは、1カ月以上がふつうで、数カ月かかることも珍しくない。予算も数百万円から、1000万円以上かかることがある。
「リノベ済み」「自分でリノベ」はどっちがトクか
基本的な考え方も違っている。リフォームは日本語にすれば改善、改良という意味で、建物をできるだけ新築時に近い状態に戻す作業になる。
リノベーションは修復、刷新であり、既存の建築物を改修して、価値を高めることを目指す。家族の増加、ライフスタイルの変化などに応じて、より暮らしやすい住まいにしようとする作業といっていいだろう。
したがって、リノベーションには高額の予算がかかり、時間もかかるが、その分世界に一つの、自分たちの家族構成、ライフスタイルに合った住まいにすることができる。お仕着せのパターンが多い新築マンションに比べても、唯一無二の住まいになる。
そのリノベーションマンションを手に入れる方法としては、あらかじめ不動産会社やハウスメーカー、工務店などがリノベーションしたマンションを購入する方法と、中古マンションを居抜きで取得して、自分でリノベーションする方法がある。両者にはどんな違いがあるのだろうか。

