アンチエイジングにも効く栄養素が豊富に含まれる
納豆1パック(50グラム=以下同)は、およそ90キロカロリーで糖質約2グラム、タンパク質約8グラム。つまり低カロリー&低糖質で、高タンパクの食品だ。
原材料の大豆は五大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)のすべてを備え、体内で生成されない9種類の必須アミノ酸も含む。そして大豆が発酵して納豆になることで栄養成分が吸収されやすくなり、納豆菌がナットウキナーゼをはじめとした人の体に有益な成分を作って、健康食品としてパワーアップするのだ。
健康に良いだけでなく、アンチエイジングにも欠かせない成分が納豆には豊富に含まれている。糖化を防ぐビタミンB1、美容・発育のビタミンとして知られるビタミンB2、皮膚の健康維持に欠かせないビタミンB6、肌や血管の老化を防ぐビタミンE、細胞や脳を若く保つレシチンなどのほか、ネバネバはポリグルタミン酸という成分で、これも美容に良い効果が期待できる。
管理栄養士の望月理恵子氏は「ポリグルタミン酸は、アミノ酸のひとつであるグルタミン酸が長くつながったもの。皮膚表面に膜を作って肌を守り、肌が本来もつ潤い機能を高めるといわれています」と説明する。
朝食に食べると体温が上がり、代謝がアップ
さてこの納豆を朝食に食べると、臓器やホルモン分泌が正常に働くために重要な「体内時計」がリセットされて体温上昇につながるという。筋肉維持やダイエット効果があり、質のいい睡眠にも関係する。
体内時計の視点から考えた食事法を「時間栄養学」といい、その第一人者である早稲田大学名誉教授の柴田重信氏(東京科学大学特別研究員、愛国学園短期大学特任教授)はこう話す。
「『糖質+タンパク質』のセットは体内時計のリセット効果が高い。加えて納豆に豊富なタンパク質、食物繊維、ビタミンKも体内時計を動かしますから、体内リズムを整えるのに朝に『納豆ごはん』はお勧めです。朝にタンパク質を取ると、筋肉をつくることを助けますし、食物繊維や難消化性タンパク質は腸内細菌のエサになって、おなかの調子を整えます」
納豆に含まれる食物繊維の量は、豊富に含まれる代表格であるゴボウより多い。50グラムあたりゴボウに含まれる食物繊維が約3グラムに対し、納豆1パック約4.8グラムの含有量だ。とはいえ食物繊維豊富である良さが、あまりピンとこないかもしれない。実はメリットがたくさんあり、まずは病気発症や死亡リスクの低下だ。