逆にA4 1枚にまとまっていると、10秒もあれば理解してもらえる。A4という限られたスペースには、あれもこれも書けないからである。せいぜいポイントを7つやそこいら書いたら、十分に埋まってしまうはず。そして、この「7」という数字がとても重要で、「マジックナンバー」と呼ばれているほどなのだ。
実は、人間の脳が一度に把握できる数は「7」といわれる。机の上に硬貨が何枚か置いてあっても、その数を普通の人が一目で確認できるのは7枚程度までなのだ。8桁の電話番号を記憶しようとしてもなかなか覚えられず、何か語呂合わせを考えて記憶しようとするのも、こうした理由があるからなのだろう。
だから、仕事の計画に10項目以上の細かな内容を詰め込んで、その内容をメンバーと共有しようと思っても、それはどだい無理な話なのだ。計画内容をメンバー全員ときっちり共有しようと思うのなら、ポイントを7つくらいまでに抑え、A4・2枚以上は書いてはいけない。
孫社長はいつも「戦略とは略することだ」と語っている。A4 1枚に収まる程度のボリュームであっても、その範囲内でさまざまな可能性を追求することは可能であり、適切な意思決定につなげていける。さらに、さまざまなビジネスシーンでいくらでも応用がきく。そうした具体例を次から紹介していこう。
確実に成果を挙げる「スケジュール管理」表
1週間が「7日」というマジックナンバーの日数で構成されていることにも意味があると私は考えている。「今日はこれをして、明日はあれを仕上げてしまおう」といったように、1週間トータルで何を行うのか自然と管理できるようになっているからだ。だから、部や課のチームでプロジェクトなどのスケジュールを管理していく際には、週次の定例ミーティングを開催しながら1週間単位で進めていくことを実践している。