人は自分が関心のない話を聞かされたところで何の感動も生まれず、「この相手と一緒に何かをやろう」という気には到底ならないもの。そこで単なる商品案内ではなく、商品のつくり手が「なぜ自分がつくったのか」という思いを、自分の人生をなぞりながら先の5つのプロットに沿ってストーリー化していくわけだ。
具体的な事例として、ソフトバンクの激務のなかで英語をマスターした私が、「そのノウハウを提供する教材『実務に役立つ英語力』ビジネスを立ち上げたい」と思い立ち、提携交渉相手企業の担当者たちを聴衆にプレゼンすることを想定してみよう。
三木「ソフトバンクのプロジェクトマネジャーとして、ナスダック・ジャパン市場創設などに携わり、数多くの海外企業との提携を進めてきました」(達成)
聴衆「ふーん、そうなんだ」
三木「しかし、25歳で同社に入社するまで、英語を話す仕事をすることなど想像もしていませんでした」(きっかけ)
聴衆「えっ、本当に!」
三木「とはいうものの、日常会話くらいなら英語はできるとオーバーに言って入社していたのです。そこで慌てて英語を勉強することにしました」(衝突・混迷)
聴衆「だいじょうぶなの……」
三木「そうしたなか、初めての海外出張を命じられたものの、自分の意思を英語で伝えることができず、会社をクビになる寸前にまで追い込まれました」(危機)
聴衆「それで一体どうしたの?」
三木「どうしたら英語が身に付くかを真剣に考え、毎朝英会話教室に通い、1本の映画を何度も繰り返し観るヒアリングの学習などを1年間で1000時間行いました。そのすべてをこの教材で明かします」(クライマックス)
聴衆「なるほど。そうやって英語を1年間でものにできたのか。どうやら今回の事業は将来性がありそうだな」