複数のA4シートを組み合わせて活用!

A4 1枚の仕事術は自分の勉強にも応用がきき、英語ができなければクビという一大ピンチに直面した私が、英語をマスターしていった際にも強力な武器になってくれた。そこで最初に活用したものが「英会話場面言い回しシート」だった。

プレゼンだと、まず自社の紹介を行い、本題の前置きをしてから結論を示す。次にその根拠を説明し、最後にまとめるというお決まりの流れがある。その場面ごとに、そこで言わなくてはいけないフレーズを英語に訳してA4 1枚に書き込んでおく、そして、プレゼンの本番の場で、それを見ながら話すのだ。一言でいうと“カンニングペーパー”である。

自社の紹介で言うべき基本的な事項は意外と限られているもの。一度用意しておけば違うプレゼンの場でも使え、何度も話しているうちに自然と頭の中に英語のフレーズがインプットされていく。もし、品質についての説明が必要になれば、それ専用のシートを別に用意し、どんどんためていけばいい。

そうやって何回ものピンチを乗り越えながら、私は英語を攻略する戦術を練った。その際、最大の問題となったのはヒアリングとスピーキングであった。そこで取り組んだものの1つが、先にも触れた一本の映画(ビジネスの現場を舞台にしたもの)を何度も繰り返し観ながら1年間1000時間のヒアリングを行うこと。2時間ほどの映画は生きた表現の宝庫で、仕事の現場でもすぐに使えるフレーズが山ほどあったからだ。

問題は仕事をしながらどうやって1000時間をつくるか。1年で1000時間を達成するためには、1週間で20時間を割けばいい。しかし、休日は家族サービスをしなくてはいけないし、参考書やeラーニングでの英語の勉強も必要だ。そこで使ったのがA43種類の「英語時間抽出シート」だった。