こうしておくと、もしプロジェクト全体の進行に遅れが生じても、どこがネックになっているのかがすぐにわかる。そして、応援の人員を入れたり、作業の量や質を見直してスピード化を図ったりという対策をすぐに取ることができる。「何が原因だかわからないが、進行が遅れている」というのが最悪のパターンであり、そうしたムダな時間をつくらないためのツールが「スケジュール管理シート」だ。

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優先順位割り出しシート

ここで「やるべきことが多すぎて、自分は何を優先していったらよいのかわからない」と悩んでしまう人がいたら、「優先順位割り出しシート」(図参照)の活用をおススメしたい。「重要度が高く、緊急度も高いもの」「重要度は高いが、緊急度が低いもの」「重要度は低いが、緊急度が高いもの」「重要度が低く、緊急度も低いもの」という4つのマトリクスに、やるべきことを書き込みながら仕事を整理する。

最初の「重要度が高く、緊急度も高いもの」を優先するのは当たり前。特に要注意なのが「重要度は高いが、緊急度が低いもの」である。手付かずになってしまい、最終的に“やっつけ仕事”になることが多い。「部門年次決算」であれば、それをさらに噛み砕いて「経費の精算」「月次決算の集計」といった細かいアウトプットを抽出する。そのなかでも緊急度の高いものについては「重要度が高く、緊急度も高いもの」へシフトさせ、着実に実行していけば、後々慌てることもなくなる。

顧客の心を掴むストーリー化シート

もちろん、A4 1枚の仕事術は社外での仕事にも活用できる。その1つに、顧客に対するプレゼンテーションで使用する「ストーリー化シート」がある。

これは米国ハリウッドの脚本家養成の第一人者であるロバート・マッキー氏が著書『Story』で提唱した「物語の組み立て方」をベースに、私が独自のアレンジや改良を加えたもので、物語の構成を「達成」「きっかけ」「衝突・混迷」「危機」「クライマックス」の5つのプロットに分けて、自分の人生や会社のプロジェクトの軌跡を述べていく。