そこで活用するのがA4 1枚の「スケジュール管理シート」だ。「メンバー(Name)」ごとの仕事内容を示した「タスク(Task)」、そこで求められる具体的な成果である「アウトプット(Output)」、そのアウトプットを出す「期限(Date)」、さらに進捗状況や注意事項などを記した「メモ(Memo)」を一覧表にしたもので、誰がどのような仕事を割り振られ、どこまで進んでいるのかが一目でわかる。
このスケジュール管理シートの作成にあたって最も重要なのは、アウトプットを明確にすることだ。ここを曖昧なままにしておくと、プロジェクトの実現そのものが危うくなってしまう。
例えば、アウトプットを「新商品のアイデア出し」としたとする。実はこの「出し」という動詞的な表現が曲者で、いかようにも解釈できる。「とりあえず皆で考えておけばいいか」で済ませることも可能なのだ。そうすると、定例ミーティングで進捗状況の報告を求めても、出てくる答えは「検討中です」となる。それは何もしていないのと同じで、プロジェクトの進行に大きな狂いが生じる。
では、どうしたらよいのかというと、アウトプットを「名詞」ないしは「体言止め」で表現し、その内容を明快にする。いまの例なら「新商品企画書」とすれば、過去の企画書を引っ張り出してきて、市場調査、技術的なシーズの抽出、マーケティング担当者へのプロモーションの相談など、具体的な仕事がイメージできる。
また、具体的な数字で明示することも重要で、特に納期の日付は必ず入れておく。さらに「完成したものから順次納めるのか」「一括して納めるのか」など、後作業に支障を来さないようにメモ欄に注意書きなどを添えれば万全だ。