大学生の息子が勉強もせずにサークルや恋愛に没頭。将来が心配
右の言葉の出典は前出の「コヘレットの書」。原文は「若者よ、若さを楽しめ。若い日々に、心で幸福を味わえ。心の望むまま、目の望むままに従え」という言葉で始まり、「だが、若さも、髪の黒い年も、空しいものだ」で締め括られている。悲観論者のコヘレットは若いときには若いときなりの楽しみを謳歌せよと言いながら、時間の短さ、若い時代の短さを嘆いているのだ。
大学の勉強といっても、たいしたものではない。日本の大学生の多くは単位を取るための勉強をしているにすぎず、それは本当の勉強といえない。私は大学で「倫理」を教えているが、私の講義を受けている学生に「勉強しろ」とは言わない。常々言っているのは、「考えろ」ということだ。
本やテキストを読んで、書いてある知識を頭に詰め込んだところで、本当の勉強にはならない。大事なのは自分の頭で考えること。発想することである。
聖書の言葉
若者たちよ、今の若さと
溌剌さを思う存分に
楽しむがいい。
この若さが溢れる日々の中で
心から幸福を味わえ。
おまえたちの心の望むままに、
おまえたちの目が望むままに
楽しむがいい。
痛みと悲しみを遠ざけ、
若くあることを今のうちに
楽しめ。しかし、これだけは
決して忘れるな。
おまえたちのすることを
神はすべて見ている。
そして、神の裁きを
受けるのだということを。
コヘレットの書 第11章
若者たちよ、今の若さと
溌剌さを思う存分に
楽しむがいい。
この若さが溢れる日々の中で
心から幸福を味わえ。
おまえたちの心の望むままに、
おまえたちの目が望むままに
楽しむがいい。
痛みと悲しみを遠ざけ、
若くあることを今のうちに
楽しめ。しかし、これだけは
決して忘れるな。
おまえたちのすることを
神はすべて見ている。
そして、神の裁きを
受けるのだということを。
コヘレットの書 第11章
※フェデリコ・バルバロ訳『聖書』に準拠
作家 白取春彦
青森県青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。著書に『超訳聖書の言葉』『超訳 ニーチェの言葉』『この一冊で「聖書」がわかる!』などがある。
青森県青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。著書に『超訳聖書の言葉』『超訳 ニーチェの言葉』『この一冊で「聖書」がわかる!』などがある。
(構成=小川 剛 撮影=小原孝博)