朝風呂で得られる4つの効果とは何か

酒向先生が毎日、朝風呂に入り、16時間の断食とケトジェニックダイエットをしているのは糖尿病、高血圧、肥満、ストレスを防いで気持ちよくなるためで、ひいては認知症になるのを防ぐためである。

そして、先生は朝風呂を推奨する。それは「温熱、清潔、静水圧、浮力」という4つの効果があるからだ。ここにある「静水圧」とは静止した水(お湯)のなかに働く圧力で、水の深さが深くなるほど、静水圧は大きくなる。

浴槽にお湯を張っている最中
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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先生は朝風呂の4つの効果について、詳しく説明してくれた。認知症になりたくないわたしはメモしながら聴いた。

「まず、温熱効果で深部体温を上げることで、代謝が活発になります。寝起きでなかなか開かないまぶたが覚醒しますし、筋肉のコリや緊張がほぐれます。深部体温を上げるにはゆっくり浸かってください。私は15分は入っています。深部体温とは体の中心部の体温のことです。内臓などの体温で、皮膚表面の温度よりも高い。人間の深部体温は37度前後になります」

次は清潔にすることの効果だ。

「汗や皮膚表面のよごれを落とし、朝一番から清潔ですっきりと、快適な気持ちよさを獲得できます」

シャワーより湯船、そして正しいマッサージを

そして、静水圧効果である。シャワーを浴びて出勤する人は多いと思われるが、シャワーでは静水圧効果がない。そこで、酒向先生はシャワーよりも湯船につかることをすすめる。

「静水圧効果は重要ですよ。横隔膜があがり、呼吸数が増加し、覚醒します。また、下半身の血液が心臓に戻りやすくなり、血液循環が良好になることで、脚のむくみが解消します」

最後が浮力の効果だ。

「浮力効果で、重力の影響が低下するため、筋肉の緊張がほぐれます。腰痛がある時は、浮遊感を利用して、湯船のなかで腰椎の屈曲と伸展運動が簡単にできます。これを10回繰り返します。さらに、膝を屈曲して、左右に回旋する運動も簡単にできます。10回繰り返すことで、腰痛は驚くほど改善します」

屈曲と伸展のほか、酒向先生は「リンパマッサージもいい」と言う。リンパマッサージは体の先端から心臓に向かってマッサージすること。足であればふくらはぎから鼠径部に向かって手で揉んでいく。手のひらから腕の付け根を経て首筋まで揉む。

簡単なマッサージだし、湯船のなかでできる。

そして、もうひとつ、教わった。水道水で風呂に入っているのであれば「入浴剤は必須」ということだ。