飲酒は月1回、運動は欠かさない

午後1時から5時30分までは診療、人材の育成、医療安全などがある。その後、午後8時まで、臨床研究、社会貢献活動、講演準備、執筆、学会準備、医師会、地域貢献に関係する仕事をする。

月に一度は会食が入るので、その時は午後5時30分には病院を出る。

帰宅すると、8時30分だ。

愛する妻が作った食事をふたりで食べる。基本的に酒は飲まない。飲むのは会食時のお付き合いで、月1回程度。1回に飲む量はスパーリングワイン1杯と赤ワイン1杯。もしくは、生ビール1杯程度にしておく。

眠るのは午後10時から11時。テレビやスマホはニュースだけ。ショート動画を見ることはない。ただし、趣味の競馬中継とスポーツライブは見ることにしている。

運動は週に1回、スポーツジムに通う。加えて、週に2回は病院か自宅で筋トレとストレッチをやる。疲労がたまると、2カ月に1回は60分のマッサージを利用する。

95歳を迎えるころは8割が認知症に

酒向先生は言う。

「認知症の人の分布ですが、年齢では80代の人で20%くらい、85歳では40%、90代で60%くらいで、95歳になると80%は認知症になると思ってください。ただし、同じ年齢なら女性の割合が高いです。そして、認知症になるには遺伝的な要因と環境的な要因があります。遺伝的な要因がある人はなりやすい。

しかし、生活環境を整えればリスクを減らすことはできます。特に、認知症予防の啓蒙が始まって以来、世界の先進国では、運動と新しい学習や人との交流を楽しく続けることで、90歳までは認知症の発症率が低下するエビデンスが出てきました」

杖をついた老婆
写真=iStock.com/Hanafujikan
※写真はイメージです

酒向先生のように、早寝早起きして、適度な運動と仕事をしていれば認知症のリスクを減らすことができる。

逆に認知症になりやすい人とはどういった生活を送っている人なのか。これもまた教えてくれた。

「絶対にやってはいけないのはタバコを吸うこと。加えて、糖尿病、高血圧、肥満、鬱の人は認知症になりやすい。なりたくなければ高血圧、肥満にならないよう生活し、鬱にならないよう気をつけることです」