「I understood.」=「わかりました」ではない

簡単な英語ほど、理解が難しいことがあります。

例えば、「わかりました」と英語で答えるときの「I understand.」。極めてシンプルで明快なフレーズです。しかし、英語勉強始めたての当時、文法を気にしすぎていた僕は、「わかりましたって、過去形じゃないか?」と思い、「I understood.」と勝手に過去形にして使っていました。

酒井龍『最高の英語学習法の見つけ方』(KADOKAWA)
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留学1カ月目のある日、僕は大学の研究室で、担当教授と研究内容について話していました。教授の説明が終わり、「わかったか?」と聞かれたとき、僕は元気いっぱいに「I understood!」と言いました。すると教授の顔色が変わり、「お前がわかってないから説明してるんだろ!」とブチギレられました。

後で調べてわかったことですが、「I understood.」と過去形にすると、「わかっていました」という意味になるらしく、「そりゃキレるわ」と納得しました。

また、「How are you finding Japan?」と聞かれたとき。これは「日本のこと気に入った?」という意味で、「Do you like Japan?(日本のこと好き?)」よりも、圧倒的に話が広がりやすい便利フレーズです。僕も日本に来た海外観光客の方と話すときによく使っています。「素敵なカフェが多くて好き」など、感想を答えれば良いです。

しかし留学当初、このフレーズの意味を知らなかった僕は、オージー友達に、「How are you finding Australia?(オーストラリア気に入った?)」と聞かれ、自信満々に「地図で」と答えました。涙が出るほど爆笑されました。

カフェで注文するときのトラップ

皆さんも海外に行ったら、飲食店に入ると思いますので、ここでは僕のカフェでの失敗談を少しご紹介します。

まず注文の際に聞かれる「What are you after?(何にされますか?)」というオーストラリアでよく使われるフレーズ。この意味を知らなかった僕は、「この後どうする……?」と聞かれていると勘違いして、真顔で「Go home.」と答えたら、非常に気まずい雰囲気になりました。

また、受け取りカウンターで店員さんに「Enjoy your coffee.(お待たせしました)」と言われたとき。何か言わないと……!と焦った僕は、「You too!(あなたもね!)」と返してしまい、恥ずかしさで一日引きずりました。

カフェで注文をする人
写真=iStock.com/RichLegg
※写真はイメージです