地方の百貨店売り上げのうち、外商が占める割合は40~50%

百貨店で購入する金額や頻度が特に高いお得意様に対し、担当者をつけて、買い物のお手伝いをする外商。百貨店における売り上げのうち、外商が占める割合は20~30%、地方の百貨店ともなれば40~50%にも上ります。非常に大きな割合となるため、各店は顧客の囲い込みに注力しています。

高級時計の販売員
写真=iStock.com/Zorica Nastasic
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外商の起源は、江戸時代の呉服店から続くお得意様への外売りとされています。商人たちは、客の金銭事情やニーズを見ながら、あらゆる情報を細かく台帳に記録していました。1905年の三越呉服店による「デパートメントストア宣言」以降も、外商の発展は続きます。今ほど交通事情がよくない時代は、店舗から遠い場所に住む顧客にとって、外商の御用聞きは重宝されたのです。また、顧客の好みや与信管理を知り尽くした外商担当者による商品提案力の高さも、今に引き継がれる日本的百貨店営業の特徴といえます。

私も以前、百貨店の外商マンとして勤務していました。外商マンはお客様との関係をとても大切にします。自社の店舗で売っていない商品を頼まれることも珍しいことではありません。美術品が好きな方からは希少な絵画を探してほしいと頼まれたり、「野球観戦のチケットを手配してほしい」と頼まれたりすることもあります。最近だと「大谷翔平の試合を見に行きたい」というリクエストも来ているかもしれませんね。ある意味ホテルのコンシェルジュのような役割を果たすこともあるのです。大切な優良顧客ともなれば、地下の食品売り場のお買い物を頼まれることもあります。お誕生日のプレゼントやケーキはあらかじめチェックしておかなくてはなりません。

最近では時代の変化から、必ずしも外商の自宅訪問がよろこばれるわけではなくなりました。訪問販売に代わって高まったニーズが、店頭アテンド型の接客です。顧客が来店した際に担当者がつき、顧客用に準備した商品を薦めたり、店内を巡って売り場横断的に商品を選んだりします。お買い上げ商品は、後日まとめて担当者が自宅にお届けすることもあります。

最近では20~40代の若い世代の顧客も増え、専用サイトやLINEなどで希望の商品を伺ったり、提案したりする外商担当者も増えているようです。顧客が望みそうな商品を提案するのはとても重要な仕事であり、担当者の業績に直結します。