「頭で考える習慣」はすぐに身に付かない

こうした時代背景もあるのかわかりませんが、昨今学校現場では「主体的・対話的で深い学びの実現」が求められるようになりました。これは「アクティブラーニング」とも呼ばれています。金八先生のような「先生が答えを教えるだけの従来型の授業」から、「生徒自身がしっかりと考える授業」をして、意見交換したり議論したり対話したりする時間が多い授業への転換が求められるようになっているのです。

しかし僕が現場の先生方に話を聞いてみると、一部の優秀な先生はこうした取り組みを積極的に行っている反面、まだまだ浸透し切っていないのが実情のようです。また、僕自身も講演などで相談を受けると生徒や親御さんたちに「自分の頭で考えよう」「考えてもらいましょう」などと伝えていますが、実践するのはなかなか難しいという声も聞こえます。

教室でクラスメートとおしゃべりをする高校生
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

そんな過渡期の中で、御上先生が生徒に「考えて」と言い続けることには、いろんな意味があるように考察できると思います。

御上先生が生徒のことを子供扱いしていないという見方もできるでしょうし、先生に求められているものが大きく変化しつつあるということを象徴しているようにも感じます。このような目線で「御上先生」を観ていただけると、このドラマがもっと楽しめるかと思いますし、お子さんとの接し方も変わってくるかもしれません。

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