上司というものは、会社が順調なときは誰でも務まる。責任感や統率力、思考力や決断力がなくても、円満な人格だけで務まるからだ。だが会社を取り巻く環境が厳しくなり、真に上司の仕事をしなければならないとき、この係長は即刻、脱落する。

会社が順調でも、遠からずこの係長は破滅の道をたどるだろう。部下は一向に成長せず、自らは部下の雑用仕事に追い回され、上司としての自分も一向に成長しないまま─そんなセクションなど会社にとってお荷物にすぎなくなる。

この「やさしい係長」の正体は、部門に対する責任感に欠ける人、管理者としての使命感に欠ける人、部下の欠点ひとつ直す気のない心の冷たい人である。

以上、『上司の鬼31則ノート』(プレジデント社刊)から、特選の7則を抜粋した。さらに興味のある読者は、ぜひ本を買って読んで欲しい。

鬼 第7則

勘違いしないでほしい!
上司のやさしさの半分は
“叱るのが面倒だから”の
やさしさである

(※『上司が「鬼」にならねば、部下は動かず 上司の鬼31則ノート』第29則(プレジデント社刊)より)

(構成=プレジデント書籍編集部)
【関連記事】
なぜ結果を出すマネジャーは非情なのか
業績アップのため、鬼上司になるには
常勝リーダーは、部員のどこをチェックするのか
後知恵で言い訳させるな。その場で叩け -アイウィル代表取締役 染谷和巳