「原子力損害の賠償に関する法律」をまずは押さえる

福島第一原子力発電所事故(以下、原発事故)以降、がんになるリスクを心配している人は多いでしょう。今のところ、発がんの危険性はそれほど高くないというのが一般的な見解です。ただ、旧ソ連邦で過去に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故のデータの信頼性や、今回の原発事故から史上類を見ない大規模な海洋汚染が生じたことなどを考慮すると、将来、がんが増える可能性を完全に否定することはできません。

万が一放射能が原因でがんになってしまった場合、東電に損害賠償を請求できるのでしょうか。まず押さえておきたいのは「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)です。