センターソリューションでは最前線で、案件ごとにSDとグループ社員がチームを組む。より大きな取り組みが必要な場合、都道府県ごとの主管支店、さらには全国10カ所の支社へと上げられる。対応するのは3年前から始まった「ジョイント・セールス・チーム(JST)」と呼ばれるタスクフォースだ。JSTはグループ企業の各地域事業所に横串を通したマトリックス型で構成される。
活動が活発なヤマト運輸九州支社を訪ねた。福岡市郊外。倉庫兼用の建物の一室で向き合ったのは、執行役員支社長の松田弘士とJSTの面々だ。ヤマト運輸の幡手順一郎、コールサービス業務のヤマトコンタクトサービスの白崎琢之、ヤマトロジスティクスの藤井守の3人。ほかにヤマトシステム開発、決済関連のヤマトフィナンシャルなどから計17人で構成された部隊は一通りの案件にワンストップで対応可能だ。松田が説明する。
「九州の8カ所の主管支店にもJSTはありますが、九州支社ではメンバーはJST専任で、所属は別々でも同じフロアで、責任者の私と机を並べて仕事する、いわば親衛隊的な組織です。主管支店に上がった案件の中でも解決策の横展開が可能で、今後1つのプラットフォームになり、成長性が見込めるものを扱います」
典型が大分県佐伯市の創業330年のこうじの老舗「糀屋本店」の案件だ。塩こうじブームの火付け役とされる。きっかけはブームが始まった11年夏、出入りのSDへの相談だった。通販の注文が殺到。家族経営では受け付けと発送に追われて製造に手が回らない。納品は3カ月待ち。「何とかしたい」と持ちかけられた。