たとえば孫にお年玉をやる場合、大学卒業までのお年玉を中学1年生のときに一括してやってしまったらどうだろう。その年だけはものすごく感謝されても、翌年のお正月に「去年はお年玉をたくさんありがとう」と感謝される可能性は低い。一括して贈与すると、感謝も一括で済んでしまうのだ。祖父にすれば、これは面白くない。実際、高額の贈与をした後、親子関係がギクシャクした例もある。
「だったら私、どういう態度をしていればいいのかしら」
一括で贈与したくなるような態度でいるしかないが、さてそれがどんな態度なのか、私には何とも言い難い。
■一括で大学までの教育費を貰うってどういうこと?
祖父母が孫(30歳未満)に1人1500万円まで(大学卒業までの学費に相当)一括で贈与する場合、非課税になる。信託銀行などの金融機関に信託(資産を預けて管理運用をゆだねること)する。金融機関は、教育費に用途を限り領収書提出と引き換えにお金を支払う。2013年4月1日から15年12月31日までに手続きする必要がある。
■ちなみに相続税はどう変わるの?
例えば、法定相続人が妻と子供1人の場合、課税が免除される基礎控除額は7000万円だったのが、4200万円に下がる。サラリーマン家庭でも家や不動産を所有している場合や、小規模自営業者などでも課税となる可能性が出てくる。
藤川 太
1968年、山口県生まれ。ファイナンシャルプランナー。東京、大阪、名古屋に拠点を持つ「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『サラリーマンは2度破産する』(朝日新書)や『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)が好評。
1968年、山口県生まれ。ファイナンシャルプランナー。東京、大阪、名古屋に拠点を持つ「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『サラリーマンは2度破産する』(朝日新書)や『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)が好評。
(構成=山田清機)