「家族とはこうあるべきだ」が不和を生む

これは私の子供にしても同じです。なんでもかんでも「親だから、子供だから」の言葉で片づけてはいけません。

だから、私は子供にも頼ろうとは考えていません。子供には子供の人生があります。

「長男が家業を継ぐのが当たり前」
「子供の結婚相手に親が口出しする」
「財産を相続させる代わりに、老後の面倒をみてもらう」

今どきこんな価値観を振り回すのは時代遅れです。押しつけようとしても無理に決まっています。

子供と一緒に暮らしてきたのは、子供は一人で生きていけないからです。自立したらどう生きようと本人の勝手です。

そもそも子供に期待をするから失望するのです。

相田みつをの詩に「あんなにしてやったのに 『のに』がつくとぐちが出る」というものがあります。心底納得する言葉です。

藤井孝一『50代がうまくいく人の戦略書』(三笠書房)
藤井孝一『50代がうまくいく人の戦略書』(三笠書房)

世話してやったのに、育ててやったのに、と思うから愚痴になります。だから、子供には見返りなど求めず、対等な関係性を作りたいと思うのです。

きょうだい関係も基本的にはつかず離れずでいいのですが、音信不通とか極端な不仲というのは問題です。なぜなら、50代は親の介護や相続をめぐって話し合う機会が増えるからです。

介護や相続をきっかけに、きょうだい間でトラブルとなり、最終的に裁判沙汰になることもあります。きょうだいの争いに時間と労力を注ぐのは悲しく、むなしい行為です。

過去の諍いが原因でつきあいにくいこともあるでしょうが、最低限の情報交換ができる状態にしておく必要はあるでしょう。

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