会社で「パートナー探し」より「マッチングアプリ」を
異性問題といえば、セクシャル・ハラスメントにも注意が必要です。
ネットニュースでは毎日のように50代のセクハラが報じられています。今、試しに検索しただけでも「県立病院の50代男性職員 セクハラ行為で停職3か月」「50代男性教諭 授業中に生徒にセクハラ発言」「50代市職員が他の職員にセクハラ」といった記事がヒットしました。
教員や市職員だからこのようにニュースになるわけで、民間企業ではニュースにさえならないセクハラが日々起きているのかもしれません。
50代の男性上司が20代の女性部下を食事に誘う。親と子ほど年齢が離れていますから、女性のほうは「まさか自分に下心を持つはずがない」と考えている。
でも、男性は自分に気があるものと勘違いし、「このあとホテルにいかない?」などと誘う。最終的に、女性からセクハラで告発される。
「自分が結婚してなくて、独身なら問題ないだろう」と考える人もいるようですが、上司という立場を利用して相手に関係を迫るのは完全なセクハラです。
セクハラで懲戒解雇されようものならお先真っ暗ですし、会社に残っても針のむしろに座るだけ。かといって、君子危うきに近寄らずの精神を徹底していると、「上司から無視されている」「私だけ重要な情報が入ってこない」などと訴えられる可能性もあるので注意が必要です。
あなたが独身だとしても、会社でパートナーを探すのはやめるほうが無難かもしれません。マッチングアプリを利用するのが妥当でしょう。
マッチングアプリは会員登録をして、プロフィールや自己紹介文を作成し、学歴、職業などの情報をもとにお互いを評価。マッチングが成立すれば、メッセージのやりとりが可能となる仕組みです。
登録しても全然マッチングしないのなら、それが「市場評価」ということです。評価されるために、写真やプロフィールを工夫し改善していくしかありません。仕事でやっているPDCAと同じです。
家族とは「つかず離れず」を理想とする
「定年後は夫婦水入らずの人生、家族第一の人生を送ろう」
こんな見通しを持っている人も多いでしょう。
それもいいですが、家族といえども違う人間です。これまでそれほど家庭を顧みなかった人が急に家族にべったりしがみついても、うっとうしがられるだけです。むしろかえって不幸な未来を迎えることにもなりかねません。
およそ10年近く前、『家族という病』(下重暁子/幻冬舎新書)という本がベストセラーとなりました。下重さんがこの本で訴えたのは、「家族というのは無条件ですばらしいものなどではない」ということです。
日本人は「一家団欒」という言葉に憧れを抱き、家族は仲よく暮らさなければならないと思い込んでいます。けれども、現実には毒親、相続争いなど家族をめぐる事件やトラブルが多発しています。
下重さんは、家族の幸福は幻想であり、家族はしょせんは個人の集まりにすぎないと喝破したのです。
私の場合、夫婦仲は良好だと考えていますが、妻と四六時中一緒に過ごそうとは思いません。お互いの趣味や人間関係や一人の時間を尊重し、適度にともに行動したり助け合ったりして暮らすのがベストだと思っています。
配偶者はもとより、親といえども結局は他人です。振り返ると、私が両親と一緒に生活していた時期は、たかだか20年ちょっとです。すでにその倍近くの年月を別々に過ごしています。
離れて暮らしても親は親ですが、正直なところ、親がどういう人なのかと問われても正確に答えられる自信がありません。