イマイチなら「反面教師」「ネタにする」を
せっかく学べる機会があるのに、私たちのほうで勝手に「この人の○○が嫌だから、教わる気が失せた」といった状態になってしまうのはよくあることです。
そんな時、私たちが教える側であれば、先の記事で触れたような接し方で「改善点の指摘」をするかもしれませんが、今回は私たちが教わる側です。そういう場合は、相手に伝えるのではなく、こちらの受け止め方を工夫します。
「イマイチな点・気になる点」の受け止め方は2つ。「反面教師にする」ことと、「ネタにする」ことです。
1つ目の「反面教師」は、そういう人の「イマイチな点・気になる点」は真似せず、自分ではやらないよう気をつけるようにします。2つ目の「ネタにする」は、いつかは他の人に話せるネタとして、その人の「イマイチな点・気になる点」を記録しておきます。
「先輩にこんなイマイチなことをする人がいて」
「あの人の言動が気になって、仕方なかったよ」
このように、教える側になった時の話のネタを溜めておき、自分が教わる側になった際の糧にすればいいのです。教わる立場にならないと見えないことはたくさんあるので、「観察」という学びスキルを活かして、周囲の人々から上手に良い点とイマイチな点を吸収してみてください。
下調べをした上で質問する
「周囲の人々」から学ぶ2つ目の「学びスキル」は、「質問」です。ここでは、誰に(Who)何を(What)どうやって(How)という3つの点から、質問について考えていきます。
まず、誰(Who)に質問すれば、私たちが欲しい情報が得られるのでしょうか。私たちが教える立場である時に使っていた「人脈マップ」がまさにそれにあたります。
私たちの周囲にどんな人がいて、誰が何に詳しいのか。それが分かれば、誰に質問をしに行けばいいのかが分かります。詳細は本書をご覧ください。
次に、何(What)を質問するかを整理します。自分が何について質問したいのかを考えた上で、まずはインターネット検索で基本的な情報をつかみ、必要であればAIに訊いてみるのも良いでしょう。
教える立場であった時に、「このぐらい調べてこいよ」「なんでもかんでも人に訊こうとするな」と思ったこともあるかもしれません。相手にもそう思わせないよう、最低限の事前の下調べはしておくようにしましょう。
その上で、その人からしか得られない情報を質問によって探っていきます。それはインターネットには出てこないその人自身の経験談であったり、具体例であったり、裏情報であったりするかもしれません。話を聞きながら、「例えば、どんな感じだったんですか?」「その後、どうなったんですか?」など、相手から生の話を引き出せるよう質問していくのです。