「傾聴」を使い、滑車をくるくる回す

ただ、この2つだけでも教える側はある不安を抱く恐れがあります。それは、

【図表1】「聞き上手」は傾聴で滑車をくるくると回す
出典=『改訂新版 オトナ相手の教え方』(クロスメディア・パブリッシング)

「この人は、こちらの説明をきちんと理解しているのか」という不安です。そんな不安を感じさせないためには、「一旦止める」が有効です。

関根雅泰『改訂新版 オトナ相手の教え方』(クロスメディア・パブリッシング)
関根雅泰『改訂新版 オトナ相手の教え方』(クロスメディア・パブリッシング)

くるくる回っている滑車を一旦止めて、「分からなかったことを確認する」「それまでの話を復唱する」という2つのアクションを行います。

「分からなかったことを確認する」では、話の途中で「すみません、先ほどの○○が分からなかったのですが、もう少し詳しく教えてもらえませんか?」といった質問で、滑車を一旦とめます。

「それまでの話を復唱する」では、ある程度まとまった話を聞いた後、「私の理解が間違っていないか確認するために、ここまでの話を復唱してもいいですか」と、こちらの理解度を示していくのです。

これら2つの「一旦止める」を使うことで、教える側は「ちゃんと分かっているな」「こちらの言いたいことが伝わっている」と安心感をもち、さらに私たちに教えてくれるようになります。教わる側として「傾聴」を使い、滑車をくるくる回していきましょう。

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