上がる株と下がる株が明確に分かれる1年

株価指数のアップサイドが限定的になる一方で、個別銘柄では「上がる株」と「下がる株」が明確に分かれる可能性があります。

その中で注目したいのは、ローテーションです。ローテーションとは、これまで注目されていなかった銘柄やセクターに光が当たることです。トランプ氏の政策がそれを加速させると考えられます。

たとえば、すでに動き出している「防衛関連」「銀行株」「IR(カジノ)関連」は、日本株もおそらく恩恵を受けるでしょう。また、日本の個人消費は若干戻ってきています。個人消費の回復の恩恵を受ける内需関連銘柄、あるいはインバウンドも期待できるでしょう。

「IPビジネス」「自動車」関連銘柄の動向に注意

とくに最近の傾向として消費は「モノ」から「コト」へ移行しています。体験を支えるコンテンツや知的財産(IP)をたくさん持っている企業が1つのポイントになるでしょう。

エミン・ユルマズ『エブリシング・バブル終わりと始まり』(プレジデント社)
エミン・ユルマズ『エブリシング・バブル終わりと始まり』(プレジデント社)

たとえば、任天堂はまもなく新しいゲーム機の発売を予定しています。するとゲーム関連が注目されます。同様にソニーもIPビジネスに力を入れていますから、注目されやすいでしょう。

一方でトランプ氏は、米国が輸入する製品に対する関税を引き上げると言っていますから、日本の自動車関連企業にはしばらく厳しい時期が続くと思います。自動車関連企業の業績が回復するのは、2025年度の第4四半期くらいになるか、場合によってはもう少し先になるかもしれません。

自動車関連に限らず、製造業は全体として追加関税の影響を受けますから、昨年のように好調な業績を出すことはできない可能性が高いでしょう。いずれもトランプ氏次第です。「どうなるかわからない」ことを前提に考えておいたほうがいいでしょう。