株式投資で資産を増やすために必要なこととは
新NISAをきっかけに個別銘柄への投資を始めた人の中には、昨年8月の暴落でいまだに含み損を抱えている人も少なくないでしょう。そもそも個別銘柄への投資で利益を得るには、企業の価値と価格の差について理解する必要があります。
株式市場では、必ずしも価値=価格で取引されているとは限りません。価値を大きく上回って取引されることもあれば、逆に価値を大きく下回って取引されることもあります。
たとえば、コロナ禍ではモノの流通が止まってしまい、本来は1万円の価値のものが転売ヤーによって、2万円、3万円で売られたりしました。同じように世の中で話題になっているモノは、本体の価値よりも価格が高くなっていることが多くあります。
こうした現象は定期的に起きます。それを見越して価格が上がる前に仕込んでおき、高くなったら売却して利益を狙うこともできます。ただし、この方法は事前に兆候を察知するのが難しいので、私はおすすめしていません。
本来の価値より安く放置されている企業を探す
私がすすめているのは、本来の価値よりも安く放置されている企業を見つけることです。その企業の「本来あるべき株価の位置」と「株式市場での評価」の間に乖離があればチャンスです。評価されていない価値を取りにいくのが投資家の仕事です。
なぜ、本来の価値より安く評価されることがあるのか。
相場は常に合理的に動くとは限りません。ときには非効率に動いたりします。たとえば人気分野に投資マネーが集まると、そのセクターは割高な状態が続き、反対に割安になるセクターが生じたりします。あるいは何らかの理由で投資家が躊躇して買われず、割安なまま放置されることもあります。理由はさまざまですが、相場には非効率な部分があります。
しかし、相場が非効率だからこそ、私たち投資家が儲けることができるのです。仮に相場が100%効率的に動いていれば、ありとあらゆるすべての情報が価格に織り込まれます。結果的に株式市場は経済成長率やインフレと同じ程度しか上がらなくなるでしょう。