通い介護の限界

訪問調査から1カ月ちょっと経ち、ようやく母親は要介護1と認定された。骨折から5日で退院した母親は自宅に戻り、週に3日のデイケアとヘルパーを利用し始めた。デイケアもヘルパーもない日、週に2〜3日ほどは増田さんが実家に通い、買物や家事を担う。実家に行かない日はアパレル系の会社で9時間ほどパートをしていた。

「母の本音は『他人に何もしてもらわなくていい』と言っていましたが、外面がいいので、介護のスタッフに会えばにこやかに対応していたようです。でも母の認知症は緩やかに進行し、骨折から5〜6年ほど経つ頃には、だんだんデイケアの拒否は強くなり、具合が悪くなったフリをしたり、介護のスタッフにも怒ったりするようになっていきました」

主治医から「たんぱく質を摂るように」と言われていたため、増田さんが肉類のおかずを作っておいても「後で食べよう」としてもったいぶったり、お菓子や果物、すぐに食べられるおにぎりばかり食べているうちに傷ませて廃棄したりすることがしばしば。