人道支援活動への高いご関心

日本赤十字社が取り組んでいる人道支援活動への敬宮殿下のご関心は、並々ならぬものがあった。そのことは、昨年(令和5年[2023年])10月2日に両陛下とご一緒に日本赤十字本社を訪れられ、開催中だった関東大震災100年企画展をご覧になった時のご様子からも、うかがえる。

その時、解説に当たった職員に対して、殿下の方から「トリアージ」について話題にされ、重ねて質問された。

トリアージとは、災害が発生して多数の傷病者が出た時に、それぞれの緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決定すること。これは、限られた医療資源を最大限に有効活用し、少しでも多くの人命を救うために欠かせない手順だ。しかし一方では、命のランク付けと言える厳しい側面も、否定できないだろう。

綺麗ごとだけでは対処できない救援活動の苛酷な現実と、真剣に向き合おうとされているご姿勢が伝わる。担当の解説者も、殿下がデリケートな部分にまで目を届かせておられるご理解の深さに、感銘を受けていた。

平安文学の特別展で初の単独ご公務

敬宮殿下の単独での初めてのご公務は、5月11日の国立公文書館(東京・千代田区)で開催された特別展「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!」へのお出ましだった。卒業論文のテーマに古典文学を選ばれた殿下にピッタリのご公務デビューだった。

とても初めてのご公務とは思えない、緊張感や気負いの無さに、取材に当たった記者たちは驚いたようだ。古典文学がお好きな殿下は、興味が尽きないご様子で、いかにも楽しげに展示をご鑑賞になられたという。

当日、ご説明に当たった同館の星瑞穂調査員はテレビ局の取材に対して、終始笑顔で飾らない気さくなお人柄という印象を受けたと語っていた。

その一方で、展示してある源氏物語の注釈書『窺原抄きげんしょう』の説明をした時に、殿下は「江戸時代といえば『湖月抄こげつしょう』という注釈書がありますね。それとの関係性は?」という極めて専門的なご質問を、さらりとされた。星調査員は「修士大学院生以上の知識があるのではないかなと拝察いたしました」という感想を述べている。