とはいえ、白熱灯とLEDとでは光の質が異なるのも事実。家中の電球を取り換える前に、まずはトイレや浴室あたりから換えてみることにしたい。その際気をつけたいのが「配光角」(光の届く範囲)だ。立体的に光を放つフィラメントを光源としている白熱灯は300度の配光角だが、LEDの光源は平面のチップなので、そのままでは一定方向にしか光が届かない。
「標準的なLED電球の配光角は120度ですが、これだと浴室など電球が横向きになる器具だと手元が暗くなります。最近、電球内部で光を拡散させる工夫をした配光角300度の電球が場しましたから、こちらを選ぶべきでしょう」(戸井田さん)
電球以上に節電効果を期待できるのが冷蔵庫の買い替えだ。なにしろ年中無休で通電している数少ない家電である。しかも、冷蔵庫の節電性能はこの10年ほどで飛躍的に向上した。戸井田さんによれば、売れ筋は容量451~500リットルの中型機種だが、501リットルを超える大型機種なら節電にはさらに効果的。その一方、小型機種では劇的な節電効果は得られないという。
「大型で高級な製品ほど最新機能が搭載されているからです。しかも最新の装置は小型化が進み、以前と外寸が同じでも容量が大きい冷蔵庫が増えています。スペックを見るときには『容量が小さければ消費電力も小さいはず』という思い込みを捨てて、素直に『年間消費電力量』を比較するのがいいでしょう」(戸井田さん)
これに対して、エアコンの場合は運転時間を減らしたり、設定温度を引き上げたり、使い方次第で節電ができる。
「よほど古い機種ならともかく、すぐに買い替える必要はないかもしれません」というのが戸井田さんのアドバイスだ。