「悪い情報をまず一番にあげろ」
また、三菱電機という会社が成長してきた理由の1つは、「風通しのよさ」にあったと思っています。社内の風通しが悪ければ、悪い情報ほど隠したり、わからないことをわからないと言えない部下が増え、本質的な問題が見えにくくなってしまうのです。
半導体事業部の本部長になったときも、「悪い情報をまず一番にあげるように」と言い渡しました。当然叱ることもありますが、叱るときにも、まずは褒めてから叱る。「二褒め、三叱り」を心がけています。
さらに、階層が上に上がるほど、不条理というものを理解できるかどうかが非常に重要になってきます。 世の中というものは、数字や論理で割り切れない、不条理なことのほうが多いのですから。
特に経営者になると、不条理に満ち溢れた情報や現実を賢く料理し、いかに情熱を持って最終目的へと向かう解を見いだしていくかが、ビジネスの成否をわけるといっても過言ではないでしょう。
※すべて雑誌掲載当時
三菱電機社長 山西健一郎
1951年、大阪府生まれ。大阪府立天王寺高校、京都大学工学部卒。75年三菱電機入社。06年常務執行役、08年上席常務執行役(半導体・デバイス事業担当)などを経て、10年4月から現職。
1951年、大阪府生まれ。大阪府立天王寺高校、京都大学工学部卒。75年三菱電機入社。06年常務執行役、08年上席常務執行役(半導体・デバイス事業担当)などを経て、10年4月から現職。
(福島香織=構成 澁谷高晴=撮影)