英語に関する学校行事もある。年に1度の英語フェスティバルでは、児童による英語ミュージカル、英語劇が上演され、英語の本の暗記を競う大会が開催される。優秀者は学外の大会に出場できる。
 また、郡内の小3以上の児童と中学生は1年に1回、郡が運営する英語体験センターに2、3日間通う。
 20~30人のクラス単位で参加するのだが、3人のネイティブスピーカーが常駐していて、午前9時から午後3時まで(小3、小4は午後2時まで)、たっぷり生きた英語に触れることができる。英語の補習を希望する子供たちも、ここで受け入れている。これも、費用はかからない。

ただ、こういった公のサービスではしばしば資格保持者ではないネイティブスピーカーが講師を務める。こういった講師との会話は、「体験としてはいいが、教育効果に疑問がある」と考える親が多い。一方、海外育ちの英語学者などが主宰する英語塾が人気を集めている。

高敞南小の前にも低学年の授業が終わる午後3時ごろ、英語塾のお迎えのワゴン車がやってきて、子供たちをドア・ツー・ドアで運ぶ。その1時間後、今度は高学年の子供たちをワゴン車が待ち受ける。さらにその1時間後、運転手はワゴン車を中学校前に横づけする。

選ばれたら小6でカナダ留学

郡出身の経営者が出資する小6対象の英語奨学金も存在する。あらかじめ選抜された英語の成績優秀者を、英語の読解能力と面接で選考して対象者を決定するそうだ。また、小5から中3までを対象にした「グローバル海外研修プログラム」という短期留学システムもある。

これは郡より一段階大きい地方自治体である全羅北道が毎年実施しているもので、成績優秀者を約8週間、カナダ、オーストラリアなどに送って、現地で英語を学ばせるとともに、見聞を広めさせている。選ばれれば、渡航費と教育費の個人負担額は総額の20~30%程度で済むため、希望者が多い。