スティーブ・ジョブズもあなたも100のパワーは同じ

私は人間の総合力は一定だと思います。与えられたパワーが100あるとします。

私は講師業に30、コンサル業に20、コミュニティ運営に20、ギターに20、その他10という感じ。でもスティーブ・ジョブズはおそらく、100のうち99を仕事に投入していたのではないかと思います。それは彼の最後の言葉で想像できます。

「他の人の目には、私の人生は成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、仕事をのぞくと喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、富など私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。私がずっとプライドを持っていたこと、認められることや富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている」

成功者のシンボルであるスティーブ・ジョブズは、仕事以外の喜びが少ない人生だったと述懐しているのが印象的です。

仕事以外の喜びを失ったけれど、世界を変える力を手にしたわけです。何かを失っている代わりに何かを手にするという、トレードオフの関係です。

コミュニケーションが苦手な方には、はっきりと言う

「夫や子どもが発達障がいで、共感してくれない」という方の相談も多いですが、うまくやれている方のお話を聞く機会も多いです。

発達障がいの夫とうまくやれている方がおっしゃっていました。

「結婚当初、配慮した言い方をすると、全然伝わらないのでケンカをよくしていた。それを繰り返しているうちに、ストレートに言うとちゃんとやってくれることに気づいた」

「夫に『普段接する人にも、自分が発達障がいだということを知ってもらうのがいいんじゃない? 自分は言葉で言われたことしか理解できないところがあるので、言いたいことはストレートに言ってほしいとお願いしておいたら?』と言ったの。そしたら、周りの人たちとのトラブルもずいぶん減ったみたい」

特に繊細な女性ほど、婉曲な言い方をしたり、非言語でのコミュニケーションに慣れているため、発達障がいの人には理解をしてもらいにくいようです。

しかし、発達障がいに限らず、コミュニケーションが苦手な方と接するときには、やってほしいことや、してほしいことをはっきり言わないと伝わりません。

松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)
松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)

ちなみにこれまで日本では、すべてを卒なくこなせる平均点人間が評価されてきました。

学校教育は、もともとは軍人を育てるために導入されました。学校とは、命令に従順に従うことができる人を生み出す機関でした。

その風潮がそのまま家庭にも伝わったため、親相手に自分の意見を口にしたり、自己主張をすることに怖れを持つ人も多いです。

しかし、ストレートに意見や主張を口にする有名人は、いつの時代でも支持を集めています。自分の意見や主張を口にすることが、関係を深めていく上で不可欠なのです。

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