雑談で笑いを取るにはどんな心構えが必要か。コミュニケーション心理トレーナーの松橋良紀さんは「笑いを取ることは会話スキルの中でも、もっとも高度なことだ。大きなリスクを背負ってそうした笑いにチャレンジする人は勇者である。そんな勇者なら、『ここ笑うところですよ』など、すべったときの切り返しを覚えておくことが必須だ」という――。

※本稿は、松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

マイクを持ってスピーチをするちょうネクタイの男性
写真=iStock.com/undefined undefined
※写真はイメージです

相手を不快にさせずに雑談をスマートに打ち切る方法

うまく雑談できる人はきっぱりと話を切り上げ、
できない人は話が終わるのを待つ。

雑談が長引いて、長時間にわたって続きすぎると、その後の予定に支障をきたすこともあります。でも相手が目上だったり、取引先だったりすると、自分から終わらせることに躊躇しますよね。

ですので、相手を不快にさせずに雑談をスマートに打ち切る方法を知っておく必要があります。長引く雑談をスムーズに終わらせるには、相手との間に境界線をしっかりつくることです。

心理学における境界線とは、自分と他人を区別するためのラインのことです。「バウンダリー」とも呼ばれます。

境界線を相手に委ねてしまうと、自分の時間とエネルギーの限界を超えてしまったり、ストレスが増えてメンタルヘルスが保てなくなります。

境界線には次のような種類があります。

①感情的境界

自分の感情と他人の感情を区別する能力です。他人の感情を、自分のものとして引き受けないことがこれにあたります。

②心理的境界

自分の思考、価値観、信念を他人と区別し、自分のアイデンティティを保護することです。

③物理的境界

個人的な空間や身体的な接触に関する境界です。自分の快適ゾーンとプライバシーを尊重してもらうことが重要です。

④時間的境界

今回のテーマである自分の時間を、どのように守るかの境界です。